2012-07-12 Thu

この撮影してから10年以上経つだろう。
鉄道運行に欠かせなかった通行手形「タブレット」の受渡しシーンである。
当時の東北地方にあるJR線では、花輪線と八戸線が腕木式信号機と共にタブレット授受のシーンが日常にあった。
小さな駅でも、人と人が列車と駅を繋ぎ安全な運行を行ってきた。
そのシーンが自分で気に入ってしまったのか、2路線にはよく通っていた。
花輪線は地元で通い易かったが、八戸線は遠く太平洋沿岸部まで行った。
しかし、自動閉塞システムの導入により、腕木式信号機は色灯式信号に変わる。
田舎の小さな駅舎に駅員がいなくなり、ホームも1面しか使用されなくなった。
そのため、町ひとつの駅は一気に寂れてしまった。
電子機器で制御できる時代で作業に「手間」が掛からなくなった反面、温もりや賑わいが失われ冷たく感じる。
駅舎も小型化され、鉄道と人に「間」が広がっているように感じる。
かつてポジフィルムで撮影した写真を振り返り思うこと・・・
何気ない駅員のシーンであるが、温かさと懐かしさが伝わる気がする。
その気持ちを引き摺っているのか、花輪線の撮影する機会は過去に比べて格段に減ってしまった。
もしかしたら自分も「間」の距離感がそうさせているのではと思う時がある。
そして・・・鹿角花輪駅が改築する計画が地元紙で発表された。
時代は巡り行くもの。
解っていても、心のどこかで一歩引いている気がする。
いつしか「間」が解消される時が訪れるかもしれない。
過去と同じ様な写真は出来ずとも、出来る限り花輪線を見守りながら撮影したいと・・・。
長文失礼しました(^^);
撮影場所:JR花輪線 扇田駅
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